今回は変わり種かもしれませんが、ここに注目してみました。
先日元マリナーズのイチロー選手の話を聞きました。彼はメジャーでも素晴らしいプレーをした後常にクールにふるまうことに努めていました。それはなぜかというと周りから自分を見たときに今はしゃぐ時ではないと判断していたためだそうです。
ヒットを打ち1塁ベースを回ったとこででも確かにいつも彼は無表情でした。イチロー曰く、「ここで喜んだらうれしかったんだと思われるが、表情がないとそこのない怖さを相手は感じる」と語っています。きっとイチロー選手も逆の立場だとそう感じるということでしょう。そういった立ち居振る舞いの極みは、ミスをしてもよいプレーをしてもいつも同じ態度でいるということだというお話です。
テニスでも同じことが言えるような気がします。良いところでよいポイントを取ると気合で大きく発声することはありますが、トップ選手は割と平静を保っていることが多いような印象があります。相手からどう見られているかということを気にしているというところも大きいと思います。
ジュニアテニス選手を見てこの選手強そうだ、と思える選手はどんな感じの態度に感じていますでしょうか?
私はミスをしてもへこんだ態度を見せずに堂々としているという印象が思い浮かびます。テニスは1対1のアドバイスなし、対面している相手のみとの真剣勝負です。そこで相手に弱いところを見せないというのは勝負の基本であり大切なところではないかと感じます。
堂々としている態度について考えます。
ミスをしたとき → 「今のミスは全然気にしてはいませんよ。次はミスしない。」
ポイントを取った時 → 「あんなの当たり前。別に良いショットと思っていない。」
態度から伝わる印象というのはこういったところではないかなと思います。フェデラーがすごいショットでポイントを取った時に涼しい顔して髪を分けるようなしぐさを良くしますが、強い選手だというオーラを感じます。あれでいつもいつも大喜びしているようだとまた違った印象になるでしょう。
動物が、本能的に戦闘態勢に入ると自分を大きく見せたり威嚇をしたり自分の強さを表現しようとします。絶対に腹を見せたり弱みを見せないと努めています。もしくは大きく力が離れており、相手にもしないという堂々とした態度も見られます。人間も絶対に戦闘態勢に入る時があるならばこの姿勢は必要です。それを体現しているのがトップ選手ということになると思いますし、私たちの見ているジュニア選手の強そうという印象を与える選手の態度ということになると思います。本能的に相手が弱い態度を見せると勝てると思うのが生物というものだと思います。
人は行動が変わると内面も変わるといいます。よく言う習慣が変われば最終的に人生が変わるというようなことをよく言うあれですね。とてつもなくへこむポイントがあったとしてもいつもと同じように堂々としているという習慣を変えるところから取り組んでみるのはよいのではないかと考えています。強い選手と同じ行動をとり続ければ強くなっているという効果を狙います。
ポイントを取られたときに低年齢ジュニアは心の内面がが特にわかりやすく出る傾向があります。我が子もそうでした。そこで粘り強く態度、行動を変えるよう取り組みました。
おそらくもう何千回も我が子に言っていると思います。
「胸を張れ」 「下を向くな」 「堂々としていろ」
いや、何万回かな?? 試合のビデオを見ながらも何回も言っています。イメージとして伝えているのは肩甲骨を寄せて新鮮な酸素を取り込め!というワードです。
弊害としては堂々としすぎていて周囲からはふてぶてしい態度だ、生意気だと感じる方もいるようです>< 頑張ってそういう態度をしているので温かく見守っていただきたいと思いますが。。。 逆に強そうな態度だ、とか姿勢がいい選手だなどと言ってくれることもあります。これからも継続していきたいと考えています。
自分をのせていくための気合の表現はとても良いと思いますが、それ以外では平静を保つような感じを目指したいと思っています。皆様の選手にも一つの行動を変えてみるというところから始めてみたらどうでしょうか?一度に色々変えようとしてもなかなか難しいですから。 やってみたら効果は絶対あります。落ち着いたとか、強そうだといわれると強くなります。