ジュニアテニスを考える

ジュニアテニスプレイヤーを応援する 素人目線で思ったことをつづります

♯109 トラやライオンはトレーニングしない

 皆さんこの言葉聞いたことありませんでしょうか。どこからというのはいろいろとあるかと思うのですが、私はあのイチロー選手の言葉としてこの言葉を聞きました。ちょっとだけ掘り下げてみたいと思います。

 ジュニアテニス選手が本気で強くなろうとするときにトレーニングは避けて通ることができない道ですしね!

 

 

 

 「トラやライオンはトレーニングしない」という言葉の裏には、強いやつなのに何もやっていない、とか強いやつは生まれつき強い、とか弱い奴ほどトレーニングしたがるみたいなニュアンスを受ける人も多いかと思います。ここでははやりのウェイトトレーニングについて考えてみます。しかしイチロー選手の言っていたことはこうでした。

 

 

 

 「筋肉は大きく強くすることができても、それを支える腱や関節は鍛えることができない。」という点から、大きな外国人選手に対抗するために筋肉や体自体を大きくするというのは、生まれ持った自分のバランスを崩すことになりケガを誘発するということでした。体をどんどんと大きくしていきやがてけがをしていく日本人選手に対してはなった言葉だと思います。そもそも骨格が違うのに同じサイズを目指しても、同じ結果は得られない。腱や関節耐えられずにケガをするのは当たり前のことだということです。

 

 

 

 イチロー選手はその理論を体現しています。ほかの選手はルーキーイヤーの時と比べるとどんどんと体が大きくなっていっています。有名な選手でもいますね!高卒ルーキーの時にはほっそりしていたのに、最近では筋肉もりもりのマッチョマンみたいな選手がたくさん。

イチロー選手はルーキーイヤーと比べても少し大きくなってるかな?というくらいで同じような体型を維持しています。そしてあまりけがをして休んでいるという印象も残っていません。これ私もこの話を聞いて気が付きました。そういわれるとそうだなって。

 

 

 

 仕事においてもよく言う話ですが、同じところで張り合うということよりも、ほかにはできない特性を生かして違う分野で勝負する企業は成功を収めると。金額が安いということで競争相手が頑張っているところにじゃあこっちはもっと安く!!という競争は不毛で先が見えませんしただの消耗戦になりスタミナ切れしたほうが負けるだけのことになります。体のもともと大きい外国人選手がパワーを売りにしている野球の世界で日本人選手が同じようにパワーで対抗すれば同じく消耗してしまうだけという理論です。私はうなずける理論です。

 

 

 

 イチロー選手は筋力や体のサイズをアップさせてメジャーリーガーに対抗するよりも自分で勝負できる部分を生かしていきました。「大きくするのではなく柔らかく伸びる筋肉を鍛えてその柔軟性やばねによってパワーを引き出す」という方針だったそうです。日本人としてはこれが正解でしょう。そして長らくケガをすることなく長い現役生活を送り、世界一のヒットメーカー、鉄壁強肩の外野手として大成功を収めました。

 

 

 

 ほかにはできないことや、ほかの選手にはない自分の強みを生かして勝負するということが大切だということですね。これジュニアテニス選手にも当てはめてみたい話だと思いました。見本とする選手に近づこうとすべてのことをまねしてやってみるというのは一つの良い方法かもしれません。しかしながら、まったく骨格も人種も身長も違う民族の真似をしても、結局全く同じ人間にはなれません。近づくことはできても。

 

 

 

 もっと体重を増やして、パワーのある選手に対抗したいと考えるジュニアテニス選手も多く存在することと思います。しかしそれが自らの強みを消し去ってしまうようなことにつながる可能性があるのであればそれはよく考えてみたほうが良いと思います。自分の強みを理解して、自分の体を理解して目指す姿を設定したほうが賢明です。

 

 

 

 トレーニングしなくてもトラやライオンのようにもともと力が強い選手は実際にいます。それと同じかそれ以上にならなければ勝てない、というスポーツではテニスはありません。強みを生かしてほかの方向からアプローチして勝つ方法を編み出すことはできます。ほかの選手を見てその選手と同じ特性をそれ以上にしなければならないと短絡的に考えることは危険だと最近思います。身体能力が非常に高い黒人選手など見てそれに対抗して勝たなければというのは無理がありますよね??

 

 

 

 というわけで目指す選手がこうだから、とか目指す位置にいる選手はこれくらいのパワーを持っているとかでトレーニングをむやみに重ねるのはやめたほうが良いと思います。妄信的に目指す選手と同じトレーニングをしていれば追いつくことができるというのは間違いです。よってそれぞれの選手の特性、骨格、サイズや強みなどを考慮して戦略立てて成長を促すことが一番良い方法でしょう。

 

 

 

 むやみにあのフェデラーはこういうトレーニングをしているからやったほうがいい!とか目指す選手の体重は○○キロだからそこまで増やせ!とかいうコーチ結構いますが、それが育てるジュニアに当てはまるとは限りません。なんとか選手の特性や強みを把握してそのジュニアにあった成長ルートをたどれるようわれわれペアレンツがサポートできたら最高ですね。 (なんでも同じ型にはめようとする指導者に最近出会いましていろいろ考えました。)

 

 

 

 

 

 

google.com, pub-3503017721301200, DIRECT, f08c47fec0942fa0